本製品には、様々なルールやコマンドが登場します。そのため、大戦略シリーズの初心者の方が初めてプレイする場合などは、覚えなくてはならない要素が多くて混乱することもあるかと思われます。そのような方のために用意されているのが「シンプルモード」です。
「シンプルモード」では、ユーザーが設定できるルール項目などが、必要最少限に抑えられています。またそれに伴って、画面に表示される要素も不必要なものが省略表示され、上級者向けの編集機能も省略されます。兵器に不慣れな方のために、登場する兵器と生産タイプも代表的なものだけとなります。
簡便で分かりやすい「シンプルモード」ですが、逆に「シンプルモード」では、シンプルモード専用のシンプルマップしかプレイすることができません。また、マップエディタをシンプルモードで起動した場合も、シンプルモードで用いる専用ファイル形式である「シンプルマップファイル」しか作成・編集できなくなります。
なお、いったんどちらかのモードでゲームプログラムやマップエディタを起動した場合、ファイルメニューに【シンプルモードへの切り替え】または【通常モードへの切り替え】メニューが表示されます。その後、もう一方のモードに切り替えたくなったときは、どちらかのメニューを実行してください。その場合、ゲームプログラムやエディタが再起動されて、モードが切り替わります。
「シンプルモード」では、「通常モード」と以下の点が異なります。
■専用のマップのみプレイ可能
新規ゲームとして選択できるのは、このモード専用の「シンプル」マップとなります。シンプルマップには、キャンペーンはありません。
■「シンプル」ルールを採用
シンプルマップで使用されるルールセットは、「シンプル」ルールになります。
ゲーム開始時に変更できるルール設定の項目も、「索敵」「昼夜」「経験値」「迎撃」「クリティカルヒット」「誤射」の6種類だけになります。
中級ルールとの違いは、以下の通りです。
・陣営情報:【公開】
・生産数制限:【なし】
・ミサイルフェイズ:【なし】
・建物の破壊:【なし】
・索敵:【なし】(変更可能)
・昼夜:【なし】
・分散:【なし】
・高速移動:【なし】
・迎撃:【なし】(変更可能)
・クリティカルヒット:【なし】(変更可能)
・誤射:【なし】(変更可能)
・先制間接攻撃:【なし】
■行動コマンドに制限
「シンプル」ルールの採用に伴って、「破壊」「修復」「分散」の3つの行動コマンドが使えなくなります。
■勝利条件は2種類
勝利条件は、敵陣営の首都をすべて占領するか、敵陣営の部隊を全滅させるかの2種類となります。ゲーム開始時に勝利条件を変更することもできません。
■生産タイプは3種類
シンプルマップで使用される生産タイプも、兵器に不慣れな方のために、代表的な兵器だけを厳選した特別な生産タイプ「生産タイプA」「生産タイプB」「生産タイプC」の3種類のみになります。
これらの生産タイプは、基本的な兵器タイプのみで構成されています。また、各兵器タイプごとに、ひとつの兵器だけしか登場しません。そのため、同じ兵器タイプの中からどの兵器を選ぶべきか迷うこともありません。
なお、ユーザー定義兵器は、シンプルモードでは使用できません。
■「協定」は無効
「同盟」よりも緩い軍事関係である「協定」(新機能/12ページ参照)は、使用されません。
■上級者向け編集機能は非表示
大戦略のゲームシステムに慣れた上級者の方のために用意されているルール作成・生産タイプ編集・構成比率編集などの各種編集機能も、逆に初心者の方には混乱の元となりかねません。そこで、これらの編集機能を実行するためのメニューなどは、ゲーム中に表示されないようにしてあります。
■使用されない項目は非表示
無用な混乱を招かないために、「シンプル」ルールで使用されない項目などは、「環境設定」ダイアログ・情報パネル・行動パレット・各種情報パレットなどで、極力非表示の状態にしてあります。
■解説文を表示
各フェイズの開始時などに、そのフェイズについて解説した説明文などが表示されます。
説明内容を把握し、以後説明文を表示する必要がなくなった場合は、説明文ダイアログが表示されているときに、【以後このメッセージを表示しない】をチェックします。
■マイ部隊もシンプルモード専用
マイ部隊(新機能/33ページ参照)も、シンプルモード専用のマイ部隊になります。このため、シンプルモードで登録したマイ部隊を通常モードで配置したり、通常モードで登録したマイ部隊をシンプルモードで配置することはできません。シンプルモードでのマイ部隊は上限が30部隊です。
■通信対戦・メール対戦は不可
通信対戦とメール対戦は、行なうことができません。
■シンプルモードのファイルタイプ
シンプルマップのファイル拡張子は「.xsm」、ゲームデータのファイル拡張子は「.xss」、履歴のファイル拡張子は「.iss」になります。
シンプルモードでプレイできるシンプルマップを作成するには、マップエディタをシンプルモードで起動してください。
■上級者向け編集機能は非表示
ゲーム本編でのシンプルモードと同様、生産タイプ編集・ルール作成・構成比率編集(新機能/38ページ参照)などの上級者向けの編集機能を実行するためのメニューは表示されません。
それに伴って、マップに設定できるルールは「シンプル」ルールの6項目だけに、陣営に設定できる生産タイプは「生産タイプA」「生産タイプB」「生産タイプC」の3種類だけになります。
また、コンピュータプレイヤーが部隊を生産するときの兵器構成比率や、陣営間の「協定」関係(新機能/12ページ参照)も設定できません。
■配置モードは5種類
シンプルモードでは増援部隊を配置できません。また、キャンペーンマップも作成できません。そのため、増援部隊配置モードと、新機能のキャンペーン部隊配置エリア(48ページ参照)の2つのモードが省略されるため、配置モードは計5種類に変更になります。
■地形配置・部隊配置での注意点
使用できる生産タイプ3種類には、司令部が含まれていません。
通常モードのマップでは、各陣営ごとに首都か司令部のどちらかが配置されている必要がありましたが、これに伴って、各陣営ごとに首都を必ず配置する必要があります。
勝利条件が、敵首都の占領と敵部隊の全滅の2種類なので、建物地形や部隊に勝敗条件ラベルを貼る必要がなく、また貼ること自体ができません。これに伴い、【表示】>【勝利条件ラベル表示】メニュー、【ウィンドウ】>【部隊ラベル一覧】メニューも表示されません。
■シンプルマップのファイルタイプ
シンプルマップの中間データは、ファイル拡張子が「xst」になります。またゲームでプレイ可能なマップとして保存できるマップはシンプルマップ(拡張子「.xsm」)だけになります。
なお、歴代の大戦略シリーズのマップを開いて、それを編集してシンプルマップとして保存することもできます。この場合、それらのマップを開いたときに、マップに配置されていた部隊と勝敗条件ラベルは、すべて削除されます